春が一気に来た。
ほんの一週間前までは朝の最低気温が氷点下であったのに、ここ数日は日中の最高気温が20度を越えている。梅は散り、安曇野のあちらこちらで桜が開き始めた。開いたかと思うと2~3日で満開になる。一週間の変化がまるで1日で起きているかのようである。
大王わさび農場へ山葵の花を撮りに行ったのだが、盛りは既に過ぎていた。代わりに、日当りが良いせいか桜が一本、満開を迎えていた。白く光る背景は雪の常念岳。これから一ヶ月程、アルプスが最も美しく見える時期となる。
安曇野の桜の盛りは来週になるのだろうが、来週末では最早散り始めているかも知れない。そんな予感がするうららかな春の一日であった。
磯城島(しきしま)の日本(やまと)の國に人二人ありとし思はば何か嘆かむ
式嶋乃 山跡乃土丹 人二 有年念者 難可將嗟
この大和の国の中に私の恋しい人が二人あると思うのだったら、どうして嘆くことがありましょう。(萬葉集 巻十三 3249)
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