湯ノ丸高原が
花の見頃は概ね信濃毎日新聞社の信州の花だよりで知るのだが、この日、龍胆が湯ノ丸高原で見頃、とあったので、見に行くことにした。湯ノ丸高原の地蔵峠からスキー場の急な傾斜を登ると、有名な
龍胆の花は日光を受けて開くため、残念ながら曇り時々雨のこの日は閉じており、可憐な星型は見られなかったが、閉じた姿もまた秘めた力を感じさせる。根が胃の薬用になり、漢語の龍胆の音を「りんだう」と表記した事から「リンドウ」となったことは広く知られているが、地元長野県の県花であることは知らなかった。萬葉集には残念ながら現れないが、源氏物語にあるところから見て、古くから親しまれている花であることは確かである。最近では園芸用の
龍胆とは関係ないが、昨年夏には湯ノ丸高原にソフトクリームを食べに来ている。この日も、と思ったがあまりに寒く、甘い香りに誘われてついクレープに予定変更してしまった。しかし、さすがは湯ノ丸高原、只のクレープではない。プリンが丸ごと入って生クリームが乗っており、大変食べ応えがあって満足して峠を下りた。どうも湯ノ丸高原、甘党には季節を問わず天国のようである。
誰彼 我莫問 九月 露沾乍 君待吾
あれは誰だと、私のことをきかないで下さい。九月の露にぬれながら、わが君を待つ私なんです。(萬葉集 巻十 2240)
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