私自身知らなかったのだが、みどり湖には水芭蕉の群落がある。
水芭蕉と言えば尾瀬、信州では鬼無里村奥裾花渓谷の水芭蕉が有名で、時期的にも5月終わりから6月初め頃の印象があったが、みどり湖では里に近いこともあってか、見頃を迎えていた。
みどり湖は昭和27年竣工のダム湖で、個人的には中央東線が昭和58年に、それまでの辰野廻りから塩嶺トンネルの開通により岡谷~塩尻間を短絡するようになった際に新設された駅名でその存在を知った。塩尻から少し山間に入り、落ち着いた雰囲気のあるこぢんまりとした湖である。紅葉の季節には、また美しい風景を見せてくれることであろう。
みどり湖の水芭蕉は地元の人たちが丹精籠めて育てあげた由で、広さは限られるながらも、見事な群落を見せてくれる。毎年訪れる定番の地がまた一つ増えたようで、どうも来年から春先は忙しくなりそうである。
春の野に心伸べむと思ふどち来し今日の日は暮れずもあらぬか
春野尓 意將述跡 念共 來之今日者 不晩毛荒糠 (萬葉集 巻十 1882)
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