安曇野の東に位置する長峰山(標高933m)では、パラグライダーが盛んである。
山頂西側の安曇野を望む斜面から飛び立つと、上昇気流に乗るのだろう、200m位も舞い上がって、暫くの空中散歩を楽しんでから、ゆっくり麓へと降りていく。見ていて気持ちが良くなるのだから、飛ぶ方はさぞかし愉快な気持ちであろう。
尤も、単に愉快なだけではない。パラグライダーは全く動力を持たないだけに、判断を誤れば着陸点に到達出来ない事も有り得る。文字通り「空気を読」んで、飛行しなければならない。航空機ではないから厳密には話が違うが、航空法上の進路権(優先通行権)はグライダー同様に最も高いと考えることができる。このため、松本空港についての航空情報では、この空域でスカイスポーツが盛んであることが明記され、航空機のパイロットに注意を促している。
さて、この写真では分かりにくいが、長峰山頂から望む北アルプスは、絶景の一語に尽きる。松本市周辺のアルプス展望地とは明らかに別格で、いづれ機会を改めて紹介したいと思う。
うたがたも言ひつつもあるかわれならば地(つち)には落(ふ)らず空に消(け)なまし
歌方毛 曰管毛有鹿 吾有者 地庭不落 空消生
きっと、こういっているのだなあ。「私なら地に降ったりせずに、空中で消えたでしょうに」と。(萬葉集 巻十二 2896)
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