仁科神明宮奥の山へ犬の散歩に行った帰り、白馬連峰が綺麗な白い姿を見せていた。
左が爺ヶ岳(2,670m)、右が鹿島槍ヶ岳(2,889m)。安曇野らしい一枚となった。
安曇野の風景は素晴らしいとよく言われるが、具体的に切り分けてみると、高い山を背景にしてなだらかな傾斜を持つ平原のあちらこちらに散在する屋敷林に囲まれた集落、と纏めることが出来るだろう。少し小高い所から見ても、屋敷林があるので家屋の姿が直接見えない。それが風景を美しくしているのだと思う。
残念なのは電柱の類。そういえばオーストリアに旅行した時、田舎でも電柱を見かけなかった。すべて地下に埋設しているのだろう。それが風景を一段と美しくしている。戦後の日本人はどうしても目先の損得しか考えないから、長い目で見た時に大きく損をしている。
安曇野も最近住宅地開発が進み、住宅団地のような狭い敷地が隣接する住宅地が販売されているが、これでは屋敷林の育てようがない。この安曇野らしい風景もあと数十年で滅びることだろう。やはり目先の利益で大きな財産を失っているように思う。
峯上尓 零置雪師 風之共 此間散良思 春者雖有
峰の上に降って積もっている雪が風とともにここに散ってくるらしい。もう春だのに。(萬葉集 巻十 1838)
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