5月のアルプスは美しい。
良く晴れたので長峰山へ行ってみた。案の定、青天に残雪のアルプスがよく映える。山が最も美しく見える季節だ。
技術的な話になるが、偏光フィルターはこのような時絶大な威力を発揮する。フィルターなしでは空がここまで青くならないのだ。逆に言えばフィルターが作った色とも言えるが、人間の眼は写真ほど正確ではない。フィルターを使った方が目で見た印象に近づくということもある。
偏光フィルターが有効なのは青空のほか、葉や花、水面、紅葉といったところで、いずれも表面の光の反射を消して、本来の色を写してくれる。風景写真では偏光フィルターが常用、とも言われる由縁で、実際基本的に常時装着している。
昔はこのほかに色温度調整用のフィルターを何枚か持っていたものだが、デジカメになって色温度はカメラ側で調整できるようになったので、ソフト効果などの特殊なことをしない限り、偏光フィルター一枚で用が足りるようになった。デジカメが比較的早くからプロに受け入れられていったのは、そんなところに原因が有るかも知れない。
たまきはるわが山の
靈寸春 吾山之於尓 立霞 雖立雖座 君之随意
わが山のあたりに立つ霞のように、立とうとも坐ろうともあなたのお心のままにいたしましょう。(萬葉集 巻十 1912)
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